調!?
バタン諸島編サブタン島

〜いろんな地域のキダチトウガラシ〜
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バタン諸島編
  
概要
  
バタン島
   サブタン島
   
イトバヤット島
オセアニア編
  
サイパン
   

☆バタン諸島(サブタン島)


フィリピンバタン諸島サブタン島Nakanmuan村
■俗名:
一般名
   sili
主にキダチトウガラシを示す名称
   lutug (: upside down)
   nay hapon (hapon: Japan)

トウガラシを示す名称
   batunes (: button)
■特別な利用例:お酢に漬ける、葉を野菜としてよく利用する

 サブタン(Sabtang)島のChavayanMalakdangNakanmuanSavidugSinakanSumnangaでキダチトウガラシの調査をしてきました。村の順番ではなく、僕の調査した順番(時間の流れ、日記にように)で書いていきたいと思います。Alexander A. Binalonさんに案内していただきました。サブタン島でいろいろなところへ連れていたくれただけではなく、イトバヤット島も一緒に調査してくださりました。本当にありがとうございました。お子さんたちもめっちゃくちゃかわいらしく、やさしくて気遣いができて機知に富んでて、最高のお子さんたちでした。楽しい時間を過ごすことができました。ディオス ママハス!(Dios mamajes:ありがとう!)

■Alexander A. Binalon (通称Alex)

■Alexの子供たち

■一緒に釣をしようかな?

■カメラに向かってにっこり


■ココナッツをとるぞー!→やっととれた!→おさるさんみたい



・Sinakan、Savidug
 バタン島のバスコからバスに乗ってSan Vicenteへ向かい、9時45分には到着(一人25ペソ)。雨が降る中船を待っていると、そこには現在のサブタンのMayorがおり、何かと話しかけてくれます。もうすぐ船が来るのかと思ったら雨がきつくなり、船がいっこうに出港しそうにありません。そこでMayorにトウガラシ属についてインタビュー。そんなことをしているうちに、サブタンへ行く人がどんどん待合室に増えてきます。やっとのことで11時10分ごろ出発。途中、何度も船のエンジンから白い煙が上がる。エンジンが焼けているのであろうか。こんなんで大丈夫か?と思いつつ、雨のなか一時間ほどでサブタン島に到着。そこにはAlexが待っており、すぐに僕がMr. Yamamotoとわかったようです。そして船着場のそばの店でAlexにアドボをご馳走になり、雨がきついので、これでは靴ではかなわんと思い、サンダルを50ペソで購入。Fishary schoolの一間をホテルとして使わしてもらうことになりました。荷物を置いてこれからの相棒になるAlexに早速インタビューします。このまま調査に出かけるか?と聞かれたので、雨が小雨になったら行きましょう、ということになり、小雨になったので今日はまずAlexの畑(Sinakan?)へ行くことにしました。行ってみると、サツマイモ(wakay)の畑にキダチトウガラシがあちこちに生えています。自生だ。キダチトウガラシにもうはや出会えた!ということで興奮し、写真を撮りまくりました。Wakayの畑の隣はuvi(ヤム)とdukay(トゲイモ)の畑。それにしても、日本で佐々木高明さんの資料や他のバタン諸島の作物の現地名の資料を勉強しておいてよかったー。現地語を出すと理解がしやすいし、Alexもいくぶん親近感を持ってくれます。その後畑からの帰り道でも、キダチトウガラシの自生がありました。

■バスコからSan Vicenteへのバス

■バタン島からサブタン島への舟

■サブタン島の船着場

■お昼ごはん(アドボー)

■畑の中の自生キダチトウガラシ1

■左の写真の果実

■こんなかんじの畑に→

■キダチトウガラシが自生

■サツマイモの苗のそばにキダチ

■鳥がぱくっといった痕跡

■このようなところにキダチが自生 ■左の写真の果実



 その後Sinakanの隣のバランガイ(村)Savidug へバイクで向かいます。サブタンの古い家屋を紹介してくれ、ここでもホームステイができると教えてくれました。村のなかをぶらぶらします。トビウオ(dibang)をさばいている人たちがいます。その後、緑熟色が緑タイプのキダチトウガラシを見つけたので観察。あるおばちゃんの家に行くと、今度は緑熟色が黄緑タイプのものがあったので観察し、インタビュー。ぶらぶらしていると、サトウキビを搾る道具を発見。そこには酒樽もあり、palek(サトウキビのお酒)を製造しているようでした。違う家でおばあちゃんにインタビューしたあと、uviやdukayも見せてもらいました。誰かの家に生えていたC. annuumbatunesという品種も観察できました。

■Savidugの景色1

■Savidugの景色2

■トビウオ(Savidug)

■トビウオをさばく(Savidug)


■庭のキダチトウガラシとその果実(左写真)
  Savidugインタビュー1とその家族の自家製キダチ酢漬け調味料

■サトウキビをしぼる器具

■palekを入れてあるつぼ

■Savidugの景色

■Savidugインタビュー2

■Savidugインタビュー3

■どこまでも追いかけてきた女の子

■上の人の自家製キダチ酢漬け C. annuumのbatunes



 その後Sinakanへ戻り、Alexの家の近くにまたbatunesがありました。Alexの家に招待されました。まずマンゴーの青いのをわたされかじります。ロブスターとココナッツクラブ、ブタを焼いたものもいただきました。やはりここにもありました。silam(サトウキビの酢)漬けのキダチトウガラシ。これと醤油とカラマンシーを皿に入れて、ブタをつけて食べました。

C. annuumのbatunes(Sinakan)

■マンゴーのまだ若いやつ

■豚肉を焼いたもの、そして→
■豪華にココナッツクラブと
  ロブスター!



Chavayan、Malakdang、Sinakan
 朝、昨日昼食を食べた港の店で朝ごはんを食べました。甘酸っぱい味のチキン。朝から子供たちが船の周りで泳いで遊んでいます。今日も朝は曇り。また雨だと調査がしにくいなーと思いつつ、部屋で待ち合わせ。早速バイクに乗ってバランガイChavayanを目指す。一番北側に位置するバランガイだ。オフロードの道をくねくねくねくね行く。まず昨日行ったバランガイSavidugを超えて、まだ北へ向かいます。Phenix属のヤシやパンダナスを見ながら進んでいきます。まわりは牧草地が多い。Chavayanの町が見えてきました。Alexによると外人がChavayan付近の景色を見て、little hawaiiと言ったそうです。確かに似ていました。

■朝ごはん

■船着場で遊ぶ子供たち



■SinakanからChavayanまでの景色。途中かごを頭にひっかけて
  歩いて畑へ行く人がちらほら。右下はChavayan。



 Chavayan村でAlexの知り合いのおばあさんに早速インタビュー。おばあさんは自分用にバタン諸島伝統のヘッドギアを作っていました。また違う家へ行くと、なんと陸稲が干してあったので、品種などの詳細を聞きました。その後、脱穀臼を見せてもらったあと、隣の家で朝からお酒を飲んでいるグループにインタビュー。お酒を飲み、乾燥dibang(トビウオ)を食べながらのインタビューでした。その後ぶらぶらと町並みを楽しみ、途中でキダチトウガラシの自生を発見しました(すでに植物も果実も枯れて乾燥していた・・・)。その後町で100歳くらいなのにまだ現役で売り物用の工芸品を作っているおじいさんにあいました。そこでは何かのパーティーがあるらしく、ヤギを解体していました。その後、もっと年を取った人がいるということで、その人にインタビューしました。なんと1907年生まれ。丁度100歳だ。耳が遠くてインタビューはしにくいが、しっかりとした老人でした。

■Chavayanの町

■伝統的なヘッドギアを編む

■Chavaynインタビュー1

■左家族の自家製キダチ酢漬け

■Chavayanの子供たち1

■Chavayanの子供たち2

■paray(イネ)の穂を干してある

■杵と臼(Chavayan)


■Chavayanインタビュー2。トビウオ(dibang)を干したものを直火で
  炙り、キダチトウガラシ酢漬けにつけて食べる

■違う家庭の自家製キダチ酢漬け

■Chavayan景色1

■自生キダチトウガラシ(真ん中)

■Chavayan景色2


■ヤギの解体

■元気に仕事をするおじいさん ■また別の家庭のキダチ調味料



 お昼に近づいてきたのでシナカン(Sinakan)を目指します。シナカンではまずpalekを買いに行きましたAlexのおじさんの家で買えるらしい。雨も降ってきたので雨宿りを兼ねてインタビューしました。すると・・・なんとおばさんはキダチトウガラシの葉っぱを持っているではないか!いままで実感がわかなかったが、確かに村人たちがキダチトウガラシの葉を利用していることが確かめられてうれしかったです。10年もののpalekを1.520ペソで買いました。


■ChavayanからSinakanへの帰りの景色
  左下:バタン島(雨が降っている) 右下:Sinakan

■キダチトウガラシの葉を手に! ■Sinakanインタビュー



 Alexがたくさんキダチトウガラシを見かけた、という地域へバイクで向かいました。マーラックダン(Malakdang)という地域だ。山道をバイクで入っていきます。最後はバイクでいけなくなったので徒歩で探しました。すぐにキダチトウガラシが見つかりました。畑のあちこちにキダチトウガラシが自生しています。それも緑熟色が緑タイプ黄緑タイプ両方ともだ。違う畑でもあちこちにキダチトウガラシがありました。Uvi(ヤムイモ)やdukay(トゲイモ)の畑にキダチトウガラシが自生していました。Dukayのつるがキダチトウガラシに巻きついていることもありました。ある畑でおばさんに出会い、インタビューをしようと思いましたが、ショウガの植え付けに忙しそうだったのでやめました。そのかわり、そのおばちゃんからはよく熟れたパパイヤとバナナをおやつにいただきました。おばちゃんのかごが道端に置いてあり、収穫したuviとwakayの葉が入れられていました。山道の帰り道の道端でもたくさんキダチトウガラシが自生しており、果実がなっている個体もありました。その後、Alexがすばらしい浜を見せてやる、ということで、少し南へ向かった。確かにとても美しい浜だったが、曇っておりまもなく雨という天候だったので、景色のよさが半減・・・。

■バイクで細い道びゅーん

■次は徒歩でとことこ

■このようなところに→

■キダチトウガラシが自生

■早速畑にキダチトウガラシ

■黄緑色タイプ

■緑色タイプ

■キダチトウガラシの花


■トゲイモがからまるキダチトウガラシ。右下:鳥に食べられたあと

■ショウガの植え付け作業中

■熟れたパパイヤ、おいしかったー


■収穫物を入れたかご。スイギュウと鞍。スイギュウに運ばせる?

■このようなところに点々とキダチトウガラシの自生がありました

■連れて行ってくれた浜。晴れてたらもっときれいやったろーな



 シナカン(Sinakan)へ買える途中、ヘッドギアをつけて歩いているおばあさんがいたので写真を撮らせてもらいました。そのままAlexの家へ行くと、何匹もの魚がいます。昨日の夜漁に出かけて僕のために捕ってきたらしい。ありがたいことです。まずカワハギに角が生えたような魚(現地名:parayan)、これは焼き魚。次にブダイの仲間に見える青い魚(現地名:mallon、英名:Bumphead Parrotfish)は鱗を落として三枚におろし、皮をひいて刺身(現地名lataven、タガログ語pulutan)にしました。途中からサブタン島のvais mayorが参加。Alexの親戚のようです。Vaisは魚を切り、刺身用のソースを用意しています。醤油にキダチトウガラシ酢漬けの汁(silam(サトウキビのお酢)にキダチトウガラシを入れたもの)をいれ、カラマンシーの汁、ショウガを刻んだもの、シャロットを刻んだもの、それらと刺身をまぜこぜにします。おいしい!!!まさか刺身が食べられるなんて思ってもみませんでした。海の幸はあるだろうと期待はしていたが、まさか刺身なんて!そのうちVaisがブタのガーリックオイル漬けを持ってきてくれました。なかなかおいしい。Red horseというブランドのビールを飲み始めます。また、赤い魚(現地名:diton)のキダチトウガラシの葉っぱ入りnilaneg(スープ)を作ってくれました。今日の昼におばちゃんから分けてもらったキダチトウガラシの新芽(葉)だ。おいしい。なんとなく苦いような。

■伝統的なヘッドギア

■Vaisとお子さん(Sinakan)

parayanを網の上で焼く

mallonの鱗をとる

■三枚おろしにしていざ刺身

■味の決め手のカラマンシー

■そろそろ準備が整います

■さあ宴会だー!

■ブタのガーリックオイル漬け ■キダチトウガラシの葉入りnilaneg



 みんなで雑談をします。ここだとロブスターは300ペソ/kgだがマニラにいくと700ペソ以上になるらしい。するとAlexがいそいそと漁の準備を始めます。毎日友達と一緒に漁に出かけているようです。そこで、Alexの家の隣にあるVaisの家へ行くことにしました。Vaisはtanigi英名:yellow fin fish)という魚を冷凍庫から取り出し、それを少し食べさせてくれました。ブタのシニガンなども出してくました。その内Vaisの義理の弟さんも参加。せっかくだから義理の弟さんにインタビューしました。とにかくVaisはお酒をついできます。なんやかんやで1LのRed Horseを6本くらい空けただろうか・・・。

■二次会。宴はまだまだ続きます ■Vaisの娘さんも一緒



・Nakanmuan、Ivuhos、Sumnanga
 太陽が見える。バタン諸島に来て初めての太陽。よかったー、まだ雨季がはじまったわけではないようだ。このまま雨だと調査がしにくいと思っていたので、本当に助かりました。朝食を食べにいくと、ご飯と揚げ魚で、朝から豪華な感じでした今日は島の西側へ向かい、ついでにブフス(Ivuhos)島へも向かう予定。ブフス島にはとても辛いキダチトウガラシがある、というのがサブタン島の常識だからです。8時にAlexと待ち合わせをして、バイクでまずナカムワン(Nakanmuan)へ向かいました。ものすごい道をいきます。ほとんどの箇所が舗装されておらず、ときには昨日の雨でかなり道がぬかるんでいました。また、断崖絶壁のようなところもいきます。モトクロスをしている気だ。しかし、バイクに乗っているおかげで(車とは違い)視界がよく、島の景観がよくわかります。本当に急峻な山と谷でできている島です。牧草地や海などを見ているうちに、いつのまにかNakanmuanに着きました。

■朝食(Sinakan)

■揚げ魚(lapulapo?)のアップ


■SinakanからNakanmuanまでの景色



 Nakanmuanでは、ボートを借りてブフス(Ivuhos)島へ行く予定。まずAlexの知り合いのところへいってみると、男が三人で酒を飲んでいました。このうちの一人に船を出してもらう予定なのですが、とりあえず囲んで酒を飲み始めます。一つのグラスで回しのみ。一気に飲み、次へまわす(蒸留酒をNesteaの粉末と水で割ったもの)。このとき、一人(あとでわかったが船を操縦するお兄さん)にキダチトウガラシのインタビューをしました。醤油とキダチトウガラシ酢漬け、カラマンシーのタレにヤギをつけて食べさせてもらいました。庭にキダチトウガラシがあったので観察もしました。

■Nakanmuanの村

■どたばたバーティー結成


■自家製キダチトウガラシ酢漬け調味料(左)
  生のヤギ肉(右下)。ヤギ肉を醤油・キダチ調味料・カラマンシー
  のタレにつけてお酒の肴(右上)。(Nakanmuan)


■庭にあったキダチトウガラシ(Nakanmuan)



 小1時間は経過したであろうか、やっとみんなが動き始めました。海岸へ行き、船をみんなで引っ張り出し、海へだします。マリンブルーに囲まれていざ出航。僕、Alex、そして三人のおとこたち。海流のかげんで、まず少し斜めに進み始めます。船の中でも蒸留酒(彼らは英語でジンと呼んでいました)Nestea割りの回しのみは続行されます。ヤギの肉とバナナを蒸したものがお酒のあて。30〜40分くらいでしょうか、Ivuhosに着きました。あんなに近くに見える島でも、結構時間がかかるものだ。きれいな浜です。遠浅で海の色も美しい。今度は観光でこの島に来たいものだ、と思いました。男五人でキダチトウガラシを探し回ります。しかし、見つからない。天候が悪くなるかもしれないということで、はやめに切り上げる(僕はもっとゆっくり見て回りたかったが、皆が帰るのでいたしかたない)。非常に残念でした。とりあえずIvuhosに住んでいる(何ヶ月かだったかな?)おじいさんに会いに行きインタビュー。Ivuhosには第二次世界大戦のときに沈没した日本の軍艦があり、そのスクラップを集めて売っているようです。

■Nakanmuan村

■海岸の船小屋の人々

■舟をしまっておく小屋

■ついに出航(向こうの島がIvuhos)

■舟を小屋から海へ1

■舟を小屋から海へ2

■いざ出航

■沖からみたNakanmuanの村

■舟の中の様子

■蒸留酒のNestea・水割り

■ヤギ肉とバナナが酒のお供

■ずいぶんIvuhos島に近づく

■Ivuhos上陸。舟を接岸。

■放牧者の借宿(村ごとにある)

■みなさんがキダチを探してくれる

■美しい海・美しい浜

■Ivuhos島でインタビュー

■おじいさんが持っていたキダチ

■雨水を集める装置 ■おじいさんの小屋



 Nakanmuanへ戻りました。浜へつくとみんなで船を引っ張り陸にあげます。昼ごはんの準備をしてくれるらしく、その間にすこし怖そうな顔をしたお兄さん(笑顔はかわいいです)にキダチトウガラシのある畑へ案内してもらいました。するとあちらこちらにキダチトウガラシが自生しています。緑タイプ、黄緑タイプ。その後お兄さんがココナッツの木によじ登り、4つ果実を収穫して、お昼ご飯を食べにNakanmuanの船長の家へ向かいました。まず喉の渇きを癒すために、ココナッツジュースを一気に飲む。ゴクゴク。そうしていると、uvi(ヤムイモ)、カニ、乾燥したdibang(トビウオ)、ココナッツクラブがでてきました。uviはほくほくしていてなかなかおいしかったです。その後、町をぶらぶら観察してみました。するとアイスクリーム屋さんがきたようで、子供たちが群がります。


■海で遊ぶ小さな子供たち

■畑までの道(上)と畑の入口(下)



■バナナの下にキダチトウガラシ
  黄緑タイプ
■パパイヤの下にキダチトウガラシ
  緑タイプ
■畑のあちこちに自生キダチ

■果実の例


■ココナッツの木に登るお兄さん


■ごくごく飲んだココナッツ(上)と
  豪華なお昼ごはん

■ヤムイモを

■ココナッツクラブ

■カニ類

■トビウオ

■アイスクリーム屋さんに集まる

■Nakanmuan景色1

■Nakanmuan景色2 ■Nakanmuan景色3



 次の目的地であるSumnangaを目指します。村をぶらぶらあるいてキダチトウガラシを探すと、早速空き家の敷地にキダチトウガラシが見つかりました。、また、村の端っこの畑で数種類のキダチトウガラシが栽培(?)してありました。近くの家のおばさんにインタビューしました。そこでは冷たい水を飲ませてもらい、パイナップルを土産に頂きました。dukay(トゲイモ)をブタのえさ用に調理しているのも見せてもらいました。その後ぶらぶら歩いてあるおじさんにインタビューしました。そして、Sumnangaの一番奥の漁村まで見に行きました。景色を楽しみ、その帰り道にキダチトウガラシがありました。

■NakanmuanからSumnangaへ

■Sumnangaの入口

■Sumnanga景色1

■Sumnanga景色2

■空き家の木の下にキダチ

■左の写真の果実(Sumnanga)


■村の奥の畑にキダチ


■左の写真の果実の拡大(上)と
  鳥にかじられた後の果実(下)


■Sumnangaインタビュー1


■キダチ酢漬け(左から辛い順番)
  ブタのエサ用にトゲイモをゆでる

■Sumnangaインタビュー2

■Sumnangaの奥へ行くときの景色1

■Sumnangaの奥へ行くときの景色2

■子供が魚をとっている

■Sumnanga村の風景


■畑のバナナの下にキダチトウガラシ(自生?)(右上写真)。
  左:キダチトウガラシ、右下:果実アップ



 Sumnangaへ戻り、そのままNakanmuanを目指しました。アワを持っているかもしれない家族の情報を昼飯のときに得ていたからです。するとアワがあった!サブタン島では後にも先にもこのアワだけしか見ることができませんでした。キダチトウガラシのインタビューもおこないました。そして今日の調査は終わり、途中の景色を楽しみながらSinakanへ戻りました。

■Sumnangaインタビュー

■自家製キダチトウガラシ酢漬け

■保存してあったアワ

■Sinakanへの帰り道景色1

■Sinakanへの帰り道景色2

■Sinakanへの帰り道景色3

■Sinakanへの帰り道景色4 ■Sinakanへの帰り道景色5



 今日は昨日vais Mayorに招待を受けていたので彼の家へ向かいます。そうすると、tanijiという魚の刺身(tunaの仲間だといっていた)、ydukという魚のnilanegニガウリの葉入り、チキンのローストしたもの、パパイヤのシニガン、そして義理の弟の奥さんが料理したwakay(サツマイモ)の葉を使ったnilanegを頂きました。サツマイモの葉はなんとなしにネバネバしていました。

tanijiという魚の刺身。やっぱりキダチトウガラシ酢漬け調味料・
  醤油・カラマンシーの果汁のタレにつけて食べます。おいしい!!!

yduknilaneg(スープ)。サツマイモの葉入り。

■パパイヤのシニガン

■チキンのロースト

■vais

■vaisの娘さん

■vaisの義理の兄弟とその娘さん ■いとこ同士



・とぎれとぎれのお話1(Sinakan)
 次の日の一コマ。Alexのオフィスに行ってサブタン島の地図をコピーしてもらいました。そこには他のcounsilarがいたので、キダチトウガラシのインタビューをしました。ついでにuvi(ダイジョ)の品種についても尋ねたところ、8種出てきました。年寄りに話を聞けば、もっと品種があるのがわかるだろうといわれました。Alexが刺身を作ったから晩御飯をうちで食べよう、というのでバイクに乗って向かっているとAlexがあるグループのdrinking session(Alexはいつも英語でそう言う、飲み会・宴会やな)に参加します。そこではやはり一つのコップで蒸留酒のNesteaレモン味水割りを回し飲みしていました。せっかくのチャンスなのでキダチトウガラシのインタビューをしました。お酒のコップが三週したあと、僕らはその場をあとにしました。Alexの家へ行くと、早速刺身が用意してあり、いつもどおりキダチトウガラシ酢漬け、カラマンシーの果汁、ショウガ、醤油のタレにつけて食べました。そのほかにサツマイモの葉のスープ、カワハギみたいなやつの焼き物。今晩もVaisが一緒で、今度はジン(蒸留酒)にオロナミンシーみたいなやつの粉をいれて、ストレートで飲ませてきます。少ししてAlexが漁に出かけたので、またまたVaisの家へお邪魔しました。Vaisの家では牛肉のみじん切りにしたものを煮詰めた料理を頂きました。そうしているとVaisの義理の兄弟が入ってきて、またいつもの三人で飲み始めました。この家では僕はお箸を与えられており、おはしでご飯を食べていると義理の兄弟も使えると言い出しました。マニラで運転手をしていたときに学んだらしい。非常に上手にお箸を使えました。そんな話をしているとVasiの奥さん(彼の実の妹さん)がやってきました。二人で奥さんにお箸の使い方を教えてあげて、今日のパーティーはお開き。

■Sinakanインタビュー

■今日もご馳走だー

■カワハギの仲間の焼いたもの

■キダチトウガラシ酢漬け!

■サツマイモの葉のスープ

■牛肉料理

■Nesteaと水で蒸留酒を割る ■即席箸の使い方教室



・とぎれとぎれのお話2(Sinakan)
 また別の日。Alexの子どもたちが山の上にいって水牛(カラバオ)の世話をするから、ついていってはいかが?という話がありました、。僕がいままではバイクに乗っての移動が多く、まだ自分の足でサブタン島を感じていなかったので歩きたいと思っていたので、やった!荷造りを終えてAlexの長男(Arvin?)と次男(Karl)とで歩き始めました。シナカンのバランガイを抜けると、しばらくは右も左も畑でした。そしてその畑の周りにはときどきキダチトウガラシの自生がありました(帰り道のとこで写真を見せます)。このままのペースなら余裕やなーと思っていたら、突然坂道が急になってきます。日焼けをしないためにきているパーカーが暑い。汗がぼとぼと滴り落ちる。1/3くらい来たところで休憩。長男と次男がココナッツをがんばって取ろうとしています。はじめ次男がとろうとしたが力がなく実をもぎ取れない。次は長男がやってきてやっとのことで3つの果実を得ました。

■Sinakanを出てからの景色1

■Sinakanを出てからの景色2


■ココナッツをがんばって採ってくれました。ありがとう!



 休憩後また登ります。二回目の休憩をとる。僕はぐでっと仰向けに寝て体力の回復をまちました。小休止後、ついに頂上か?と思われるところにたどり着きました。すばらしい眺めだ。バタン島が見える、シナカン(Sinakan)が見える、サヴィドック(Savidug)が見える、やっとたどりついたかーっと思うと、また子供が歩きだします。少し平坦な道を歩き、サヴィドック(今度は木の名前)の樹の下で休みます。また仰向けに寝る。すると、もう少し行ったら家屋があるからそこで休めばいい、と子供たちがいいます。小屋に着くと、服を脱ぎ捨て、体の火照りをとる。風が通り気持ちがいい。あーいい気分。すると、がさごそ、がさごそ、という音がする。なんだ?と思ってみると牛が歩いてきます。このままつっこんできたらいやだな、と思って見ていると、今度はひょこっとおじいさんが現れました。牛をその辺につなぎ、僕に近づき、軒先に入ってきました。一応頭を下げると、普通にバタン語で話しかけてきます。ずっとしゃべっているので、英語で挨拶をすると、今度はどうやらタガログ語で話してきます。英語でお願いしますといって、いままでのいきさつを話します。おじいさんは子供たちの母親の父親の兄弟らしい。つまり子供から見れば大叔父さんにあたる人でした。おじいさんにキダチトウガラシのインタビューをしました。なんとかインタビューをしたあと、小屋のまわりに生えていたキダチトウガラシを観察。おじいさんの牛の子供がおじさんに近づいてきます。子牛はつないでいないようだ。おじいさんが毛づくろいをしてあげると、気持ちよさそうにおじいさんに擦り寄っています。子供たちも一緒に戯れる。

■ずいぶん登ると土が赤くなる

■遠くに見える斜面の畑

■道にキダチトウガラシの自生個体(左)とその果実(右)

■だいぶん登った!バタン島が!

■でもまだ先はあります・・・暑い

■おじいさんにインタビュー

■おじいさんが立てた小屋

■小屋のまわりにキダチトウガラシ

■左の写真の果実

■おじいさんと子牛 ■牧草地が広がる



 その後、おじいさんと一緒に山を下ります。帰りはやはり楽。ときどき太陽が雲に隠れる。こんなに雲に感謝したことはないでしょう。途中おじいさんは急に枯れたシダ植物(tubho)を採取し始めました。何に使うのかと聞くと、tubhoを水に入れて沸かすと、お茶のようなものになる、とのことでした。私みたいにコーヒーを買うお金のないものが利用するのだ、と笑って言っていました。少し行ったところで、おじいさんの畑でココナッツをとります。また子供たちが苦労しています。最後は長男が腰につけていた山刀を使って次男がココナッツの果軸をたたき始めました。見ているほうが心配になるくらいあぶなっかしいのだが、おじいさんも半ばあきれています。次男はひたすら山刀を振り回し、なんとか3つの果実を得て帰ってきました。子供たちはあちらこちら蚊に刺されていました。長男なんかは左手を10〜20ヶ所刺されていました。中のジュースを飲み、白い部分を食べ、満足して、また山を下りました。

■山をおりる景色1

■山をおりる景色2


■山をおりる途中(左)→おじいさんがシダ類の植物(tubho
  を刈り始める(右上)→枯れた個体を集めていた(右下)


■真ん中に小さい緑色の男の子が見えますか?(左写真)
  山刀で滅多打ち(右上)。おじいさんが子供たちに割ってあげます。



 ところどころでキダチトウガラシの自生の写真をとりながら、いつの間にかシナカンのバランガイにたどり着きました。長男の家でuvi(ダイジョ、ヤム)とparay(コメ)とコンビーフたまねぎ和えをいただき、スプライトで喉を潤しました。晩御飯はAlexの家でまた刺身を頂きます。今日のはアジ系統?(vatud)らしい。体が疲れているからビールが体によくしみます。Alexの一番年上のお兄さんが千鳥足でやってきました。仕事は牛をさばいて売る(屠殺する人のようです)。次にAlexの義理のお父さんの家へ向かいました。そこでは義理の父と友達が飲んでおり、友達はぐでんぐでんだったので、すぐに友達は帰りました。月明かりの下、満天の星空のもと、Alexと義理の父と僕とでゆっくりビール。最高や。その席で義理のお父さんにインタビューしました(あまりに暗く、フラッシュをたくのもなんやとおもい、写真がありません・・・)。

■バナナとバナナの間に→

■自生キダチトウガラシの幼個体

■自生キダチ幼個体(真ん中)

■自生キダチ果実あり(左真ん中)

■遅いお昼ご飯になっちゃった

■昼食後のひととき

vatudの刺身 ■Alexのお兄さんと



・とぎれとぎれのお話3(Sinakan、Chavayan)
 美しい賛美歌の音色が聞こえてくる8時過ぎのことだ。7時くらいに何度も何度も鐘が鳴り響き、白いシャツに黒のスカートのおばちゃん、いつもはよれよれのシャツとハーフズボンの子供がジーンズとちゃんとした上着、襟付きのパリッとしたシャツと黒のストラックスのおじさん、人々は思い思いの正装で教会にかけつけていました。本当に心が洗われるきれいな音色。9時10分を過ぎたころ、みんなが教会から出てきました。カラフルな服を着ているから華やかです。賛美歌を聴きつつデータをまとめていると、パソコンのバッテリーがなくなってきました。サブタンでは昼の12時から夜の12時までが電気が使える時間。そうしていると、丁度Alexが迎えにきてくれ、Alexの家で昼食を頂きました。Lapulapoのnilanegでキダチトウガラシの葉入り、牛肉の焼いたもの、焼き魚、ご飯、コーラを頂きました。あーうまかった。

■朝教会から賛美歌が聞こえてくる

■朝の船着場の様子

■Sinakan景色1

■Sinakan景色2

■お昼ごはん(Sinakan)

■Lapulapoとキダチの葉のnilaneg

■キダチトウガラシの葉

■テーブルにはやっぱりキダチ!

■牛肉はキダチのタレでいただく ■カラマンシーの果汁も欠かせない



 お腹いっぱいになったあと、Chavayanに向かいました。Chavayanに着く直前の小さな小屋(歩いている人やみんなが休憩する場所であろう)でAlexがバイクを止めました。マーラックダンのバランガイキャプテンのおばちゃんとその夫、子供夫婦、親戚がいたからです。そこでインタビューをしました。3杯ほど蒸留酒Neastea水割を飲んだあと、一人で近くの景色を堪能しました。非常に美しい景色。海の浅瀬は美しい淡い青色(エメラルドブルーともちがう)、鋭い渓谷、青い空、灼熱の太陽、すばらしい。30分ほど堪能したあと、Chavayanのバランガイに入りました。まず一人の老人にインタビュー。その後あちこちに挨拶したあと、スプライトを買って日差しをよけられる共用小屋で休みました。すると一人のおじいさんが近寄ってきます。そこで彼にキダチトウガラシのインタビュー。インタビューの中で、彼がある程度の日本語を知っていることがわかりました。「話わかる」「おはようございます」「はらきり」「大将」「ありがと」「さよなら」「あなた」「わたし」など少しずつ出てきます。Chavayanのバランガイ(:村)の景色がよりよく見えるところにAlexが案内してくれました。非常に美しい。世界遺産の候補であるらしい(フィリピンの中でっぽいが)。その道に自生のキダチトウガラシがありました。シナカン(Sinakan)への帰り道、Alexの牧草地(牛二頭とヤギ12頭いるらしい、丘陵地)が見える他人の畑へ入り、キダチトウガラシを観察。

■SinakanからChavayanの景色1

■SinakanからChavayanの景色2

■Chavayan手前でインタビュー

■景色堪能1(Chavayan)

■景色堪能2(Chavayan)

■景色堪能3(Chavayan)


■Chavayanインタビュー1


■あるお宅のキダチ酢漬け(上)
  左のおじさんにインタビュー(下)

■小屋でお昼寝の女の子

■Chavayan一望!

■こういう道にキダチが点々と自生

■真ん中にキダチトウガラシ自生

■こんな畑の中に→

■キダチトウガラシが自生?

■右上の写真の果実 ■Alexの家畜がいる丘



 Alexの子供たちと入り江で泳ぐ約束にになっており、とりあえずFishary school(宿泊施設)で待っていると、次男と長女が迎えに来てくれました。さっそくバスコ〜サブタンを往復する船が泊まっている入り江へ行き、海へ入りました。Alexの長男もいました。冷たくて気持ちいい。ほてった体が癒されます。ある程度水に浸かって泳いだ後、手を使う水鉄砲をやってみせると、子供たちに人気が出てたくさん集まってきました。ある程度教えてあげた後、今度は海へダイブしているところへ向かいました(次男が僕を手招きするから)。二回ほどダイブしたあと、Alexの長男長女がいる浅瀬へ向かい、少しして浜へあがりました。


■子供たちの楽しい遊びの時間



 Fishary schoolで塩水を洗い流した後、Alexの家へ向かいました。するとAlexの義理の父の家へ行くこととなりました。行ってみると、vaisとAlexとAlexの義理の父と僕とでRed horse(:ビール)を飲みます。そうかとおもうと、Alexがすぐその場を離れて逃亡。薄情なやつやなー。初めは何とか3人で英語で話していた(いや二人か、義理の父の言葉はvaisが英語に訳す)が、そのうち二人でイバタン語で政治やこの前の選挙の話をし始めます。仕方なく僕はもくもくとご飯を食べる。昨日の刺身の残り、vaisが持ってきた干した牛肉をあぶったもの、焼き魚、牛肉のバーベキュー風味、tipho(ジャックフルーツのちいさいやつ)のサラダをいただきました。すると、vaisがAlexの義理の父親の義理の父親が来ると言います。90歳を超えているそうだ。おじいさんがあらわれたのでインタビューしました。少し耳が遠い。でも日本語が話せるということで、ここに呼ばれたようだ。「恋人ない」「言葉わかる」などと挨拶の言葉をはなしてくれました。(写真がなくて残念)。今晩でサブタン島ともお別れ。ほんまに楽しかった。


☆サブタン島(Sabtang)のまとめ
 サブタン島ではトウガラシ属のことをバタン島と同じくsiliと呼んでいました。トウガラシ(C. annuum)の品種(?、特定する名前かな?)も同じでbatunesでした。キダチトウガラシを特定する(絶対的ではないですが)名前として、sili nu ipesは島全体的に、lutugが一般的、sili nay haponも用いられていました。キダチトウガラシはよく自生しており、silam(サトウキビの酢)にキダチトウガラシの果実を漬けた調味料としての利用方法が一般的でした。キダチトウガラシの葉を野菜として利用するのも特徴的でした。


☆サブタン島の呼称のまとめ☆




(Reference)


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