キダチトウガラシの形態的特徴(果実)

〜形態的特徴〜

1. 花の器官 2. 果実 3. 草姿

2. 果実

2.1. 緑熟色(immature fruit color),赤熟色(mature fruit color)

 緑熟色とは「果実がまだ未熟な時の色」,赤熟色とは「果実が成熟した時の色」のことをいいます。ピーマンや獅子唐は緑色をしていますよね?あれは未熟な時に収穫をしているだけで,成熟すると赤くなります(知らない人に言うと,まず信じてもらえません・・・)。東南アジアのキダチトウガラシには濃緑色,緑色,黄緑色,黄白色の4つの緑熟色と,赤色,橙色の2つの赤熟色が見られました。なお,緑熟期に黄白色を示したのは約100系統のうちたった1系統のみ(南タイで採取)でした。この系統は赤熟期になると真っ赤にならず橙色を呈しました(これも約100系統中この系統のみ)。黄白色(緑熟色),橙色(赤熟色)という形質は,東南アジアでは非常に稀であると思われます。

■緑熟色の違い
  A:濃緑色(dark green)
  B:緑色(green)
  C:黄緑色(greenish-white)
  D:黄白色(yellowish-white)
■赤熟色の違い
  A:赤色(red)
  B:橙色(dark orange)


2.2. 果実のつき方(mature fruit position)

 C. frutescens の花は直立(erect)してつきます(See 1.4. multiple peduncles)。一般的には果実も直立して成る,といわれていますが,東南アジアには果実が成熟すると水平に垂れ下がる(intermediate(horizontal))形質を示す系統がありました。(intermediate:erect(直立)とpendent(下垂)の中間の意。トウガラシには果実を直立して成らす型,下垂して成らす型,その中間型があります)

■直立(erect) ■水平(intermediate(horizontal))
  (開花期花軸は直立している)


2.3. 果実の形状(fruit shape),果実の先端の形状 (fruit shape at apex)

 果実は2cm〜5cmぐらいの大きさで,形状は細長いものからプクッと太ったものまであります。種が10個に満たないほどの小さい果実もあります。もちろん環境条件によって果実の大きさは変わってきます。
 果実の先端の形状についてみてみますと,poninted(先端が尖っている),blunt(少し丸みを帯びている),sunken(真ん中がへこんでいる)の3種類が東南アジアの系統にみられました。pointedを示す系統が大多数でしたが,中にはblunt(タイ,インドネシア,ラオスの系統で一部),sunken(全ての南西諸島系統,インドネシア系統の一部)を示す系統もありました。

■様々な形状の果実 ■先端の形状
  A:pointed B:blunt C:sunken



〜形態的特徴〜

1. 花の器官 2. 果実 3. 草姿・葉・茎




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