〜キダチトウガラシってなに?〜
キダチトウガラシの形態的特徴(花の器官)
1.1. 花弁のスポット(dark greenish-white spots at the corolla base) C. frutescens にはスポットがない,とのことでしたが(Andrews 1995),東南アジアのC. frutescens を調べてみるとスポットのある系統が存在しました。
東南アジアでは青(blue),黄色がかった青(yellowish-blue),黄色(yellow)が見られました。Andrews (1995)の形態的特徴の中では黄色の葯(yellow anther)について指摘されていませんが,中南米にも黄色の葯を持つ系統があるそうです(Yamamoto 1978)。
花柄の色といっても花柄全てではなく,正確には萼と花柄が連結する部分の色です。紫色と緑色がありました。胚軸色にも紫色と緑色があり,胚軸色が紫色の系統は花柄も紫色になるのかと思いましたが,関連はありませんでした。
一節に複数の花がつくという形質は,C. frutescens とC. annuum を区別するために用いることがあります(C. annuum は一節に1つの花)。しかし,実際は気候や土壌などの環境条件に影響を受けやすく,C. frutescens が一節に1つの花,あるいはC. annuum が一節に2つ(以上)の花をつけることがあります。東南アジアのC. frutescens に限ってみてみますと,果実が小さい系統は一節に複数の花をつけ,果実が大きい系統は一節に1つの花をつける傾向がありました。
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(Reference) Andrews, J. (ed). 1995. Peppers - the domesticated Capsicums. New edition. University of Texas Press, Austin, Texas. Yamamoto, N. 1978. The origin and domestication of Capsicum peppers. Ph. D. thesis, Kyoto University, Kyoto, Japan. |